“町じゅうが湯けむりに包まれている鉄輪温泉にたたずむ古民家カフェレストラン「ここちカフェむすびの」。明治41年に建てられた医院をリノベーションし、平成11年にオープン。店の周辺は、昔ながらの湯治場の風景画が残る、路地裏散策がおすすめのエリアである。百年ものときを経て復活した建物の店内は、落ち着いた雰囲気で、年月を重ねた空間が体も心もほっこりと和ませてくれる。
料理は食材の旨味そのものが主役になるように、50度洗いや低温スチームなどの手法を使い、食材の1つ1つに手間をかけた手作りの家庭料理を心がけている。開店当初からの人気メニュー「ここち蒸しセット」は、野菜の旨みや香りを引き出す「蒸籠(せいろ)」をメインとしたオリジナリティー溢れた料理をご用意。カフェメニューも手作り感にあふれた、心が和むお菓子や、飲み物をそろえているため、休憩を兼ねて気軽に立ち寄れるのもうれしい。
1階のカフェスペースや2階の多目的スペースでは、音楽ライブ、「日本酒の会」などイベントの開催、展示会やワークショップも行っている。地元の人と観光客のコミュニティーの場として、「人と人をむすぶカフェでありたい」そんな店主の思いが詰まったお店である。最後に、「ここちカフェむすびの」は現代の建物と違い、快適性には決して優れてはいない。だが、古民家の良さを大切にした、歴史を感じる他にない空気感の中で、ゆたりとした時間を味わってほしい。”