“美しい海岸線と楠木の原生林で知られる立花山を含む玄海国定公園は、環境省認定の「日本の水浴場88選」にも選ばれる。その海の美しさと心地よい潮風を楽しみに家族連れなど多くの人が訪れる。
このエリアを代表する「芥屋の大門」は、昭和41年に天然記念物に指定された日本三大玄武洞のひとつであり、かつその大きさは最大。波の静かな3〜12月までは、芥屋漁港から遊覧船で約25分、紺碧の海と洞窟内の蜂の巣状の天井など、大自然が造り出したアートのような景観を間近で楽しむことができる。
波などの海蝕(かいしょく)によってできた洞窟は、高さ64m、開口部10m、奥行き90m。黒々と玄界灘に向かって口を開いているような、神秘的な景観の全貌は海上からしか見ることができないため、ぜひ遊覧船からその姿を見てほしい。岩壁に見られる六角形や八角形の柱状節理(自然の力によって岩にできた柱状の割れ目)は、まるでオブジェのような形状を造り出し見るものを圧倒する。また、「黒磯」と呼ばれる、東側1000m西側800mに広がる黒い石で埋め尽くされた玄武岩円礫(えんれき)の様子も船上から見ることができる。
海上から自然のありのままの姿を眺められる貴重な遊覧体験は、街中を巡る観光とは一味違い迫力満点だ。
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